2015年5月24日日曜日

大久保健一はバンコクに何をしに行っていたのか?(NPO法人障害ランド)

バンコクでアイドルと記念撮影する大久保氏
(タイランドハイパーリンクスHPより)

今回は、大久保健一氏宮城県で代表を務めていたNPO法人「障害ランド」にスポットを当ててみよう。新聞報道などによると大久保氏1998年4月頃宮城県名取市に移住したようだ。その後、同市増田5丁目障害者生活支援TIJを設立、代表に就任。さらに、2001年3月30日仙台市青葉区特定非営利活動法人(NPO法人)・障害ランドを設立し、代表に就任した。問題とされるのが、このNPO法人での不適切な会計処理についてだ。

大久保氏タイランドハイパーリンクスに寄せた手記には、

僕がある団体の代表になったときは、出張に絡めてコンサートに行くなどして、それが度がすぎて代表の座を追われることになったぐらいだ。(中略) そして謹慎のために本土から一番遠い離島に引っ越しした

と書かれている。この障害ランドで代表を務めていた時に、出張と称して頻繁にアイドルのコンサートに行っていたことが問題とされているようだ。代表の座を追われたということだが、大久保氏が「謹慎のため引越した」と語っていることも合わせると、何らかの不正行為が発覚したと考えるのが妥当であろう。しかも、東京新聞の報道にあるように、コンサートには公費で派遣された介護スタッフを同伴させていたというから呆れるばかりである。

この後、2007年3月末にはTIJを解散、障害ランド代表の座をスタッフに譲り、同年5月31日東京都・小笠原村に移住する。

では、大久保氏が代表を務めていたNPO法人・障害ランドとはどのような団体だったのだろうか。NPO法人データベースによれば、活動目的は、「障害者及び高齢者に対して、地域で自立した生活を営んでいくために必要な事業を行い、福祉の増進を図り、社会全体の利益の増進に寄与することを目的とする」となっている。 ホームヘルパー派遣事業を行っていたようだ。

大久保氏が代表の座を降りた翌年の2008年07月18日に「社員総会の決議(法第31条第1項第1号)」を理由に解散したとなっている。大久保氏の不正が発覚し、その後、一時的にスタッフに代表を任せた後、法人を整理・解散したということのようだ。まさに、大久保氏による大久保氏のための団体であったといっても差支えないだろう。

そこで気になるのが、大久保氏が代表を務め、その後その座を追われたNPO法人・障害ランドでのお金の流れである。ネットで入手できた内閣府が公表している2007年度NPO法人財務諸表データ一覧によれば、2007年度の財務データは以下の通りである。

名称:障害ランド
経常収入:18,594,884円
 事業収入:18,251,750円
 その他経常収入:343,134円

経常支出:19,553,022円
 事業費:14,179,960円
 管理費:5,373,062円

経常収支差額:-958,138円

上記データによると、事業収入1,860万円で、これは大半が介護保険など公的機関からの委託金と思われる。気になるのが、経常支出のうち管理費540万円と他の介護派遣事業と比して極端に高い点だ。支出の詳細が不明なためどのような用途に管理費が使われていたかは不明であるが、このあたりに大久保氏が代表の座を追われ、謹慎生活を送るに至った原因があるように思える。

ちなみに、介護給付金の不正請求・受給については、香川県高松市でこのような事件が過去に起きている。

不正受給、泥沼訴訟で急転和解 高松市「プリン・ハウス」
香川県高松市はこのほど、同市御坊町の障害福祉サービス事業者「プリン・ハウス」(太田登美子社長)による介護給付金の不正請求・受給をめぐり、市側が4,258万円の支払いを求めていた損害賠償訴訟の控訴審において、プリン社経営者側が3,200万円を支払うことを条件に和解する方針を固めた。【中略】

2004年11月から2008年8月までの約4年間、介護給付費4,258万円を高松市から請求・受給。しかし、そのうち9割に相当する約3,750万円分は「重度身体障碍者である太田社長本人への重度訪問介護サービスを同社が提供したもの」として不正請求したものだった。

さて、大久保氏が過去に宮城県でどのような不祥事をおこしたのか、今となっては私に確認の手段はない。しかし、今回の沖縄・石垣島を舞台にして空港バリアフリー度調査タイ・バンコクでの格安航空LCCバリアフリー度調査にかこつけた出張が、宮城県で繰り広げられたNPO不正会計疑惑と同じような構図ではないかと疑問に思うのは私だけではないだろう。



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